名古屋造形大学に所蔵されている石井コレクションは、明治24年(1891年)に創業した石井染工所が所有し、貴重な資料として本大学に寄贈されたものです。石井染工所は合資会社松坂屋いとう呉服店(現・大丸松坂屋百貨店)の名古屋の染め物の、ほとんどを手掛けました。生み出された型紙は1920年から40年のキモノファッションの全盛期を支え、大正モダニズムから戦前・戦後を通じ名古屋における染物業界の地位を築きました。
石井コレクション1558番《鯉に分銅》251×411mm
石井コレクション3692番《菊丈源氏香》300×494mm
石井コレクション2565番《花井小紋》322×490mm
石井コレクション2163番《海魚流水浪》319×418mm
伊勢型紙には突彫り、錐彫り、道具彫り、縞彫り(引き彫り)という4種類の技法があり、その中でも、突彫りや錐彫りは古い技法に含まれます。
文・挿絵 2023年度卒業 イラストレーションデザインコース30期生 小倉百恵